日本生協連医療部会「2009年度下期単協代表者会議」報告
~「いのちの大運動」と「全国連合会づくり」について論議~
日本生協連医療部会(本部:渋谷区千駄ヶ谷)は、2010年2月15~17日の3日間、ホテルイースト21東京(東京・江東区)において、下期単協代表者会議を開催し、各地から90医療生協の181名の役職員が参加しました。この会議は、「日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)発起人会からの加入の呼びかけにこたえて、連合会の設立趣意書や事業計画案などを検討すること、「生協をいのち分野にいかす大運動」の2009年活動の到達点を明らかにし、2010年度活動の重点課題を論議することが目的です。3日間にわたり、参加者は熱心に報告に耳を傾け、グループ討論や全体討論の中で真剣に議論しました。
開会のあいさつで日野秀逸副運営委員長は「この10年間で年収200万円以下の労働者が100万人以上増加した一方、大企業の内部留保は100兆円を超え、格差が拡大しました。健康診断の受診者で異常と診断された者が10%増加、自殺者3万人以上を記録しています。新政権も国民の期待にこたえていないという“いのちとくらしの不安”が高まっている中で、新連合会の設立は医療生協の役割を飛躍的に高めます。「いのちの大運動」の取り組みの交流をおこない、情勢を切り拓く2010年度方針の熱心な討議を期待します」と述べました。最後に、宮田育治常任運営員が「医療部会としては最後となる単協代表者会議の議論を踏まえて、医療福祉生協連の呼びかけにこたえ、新しい全国連合会づくりに取り組もう」と閉会のあいさつをしました。

会場の様子
<2009年度下期単協代表者会議の概要>
●高橋代表発起人は新連合会の結成と全医療生協の参加を呼びかけました
高橋泰行代表発起人は、「医療福祉生協連の設立趣意書」に沿って、新連合会の使命、行動指針、当面の課題、日本社会の展望と新連合会の存在意義の高まりなどを説明し、最後に「地球を襲う3つの危機(温暖化による地球環境危機・未曾有の経済危機・エネルギー危機)」を救うものは「協同と連帯」であり、医療生協が広い視野を持って地域に出ること、「協同と連帯」を広げてきた医療生協の52年の歴史に確信を持ち、「いのちの大運動」を進め、新連合会を結成しましょう」と呼びかけました。続いて野本靖夫事務局次長が、この間の新連合会の準備状況を報告し、各生協で必要な意思決定の内容、事業計画(案)や定款(案)、新連合会の名称を「日本医療福祉生活協同組合連合会」(略称:「医療福祉生協連」)とすること、などについて報告しました。
![]() 高橋代表発起人 |
![]() 日野副運営委員長 |
●「2009年度活動の到達点と2010年度重点課題(案)」を提起
藤谷恵三事務局長は、「2009年度の到達点」として、医療生協は全体として「がんばった」と評価し、特に助け合いへの取り組みで「一人ぼっち」を放置せず、連携を強めて世論を変えたこと、いのちの大運動への取り組みで組合員と職員が一緒に行動するようになったこと、新連合会づくりの議論が進んだことを取り上げました。そして、課題として、「生協の特長を活かす」ことが不十分なこと、安定的な事業運営の構築などを挙げました。2010年は、医療生協の役割として、「まちづくりの3つの仕事(一人ぼっちをなくす・認知症対策・寝たきり防止)」を広げ、地域から「選ばれる医療生協になる」ため、「患者の権利の章典の評価と実践」、「医療介護評価で患者の満足度を高める」、「医療生協人づくり」に取り組むこと、「持続可能な経営をつくる課題(収益2%の確保)」を実践すること、などを提起しました。最後に、「目の前の人を救うため、たくさんの人の力を借りよう」、今こそ「Passtion(情熱)」「Misstion(使命)」「Innovation(変革)」で歴史を創るチャンスです、と訴えました。
●「いのちの大運動の2009年度の到達点と2010年度重点課題」:河村昌明本部長
河村大運動推進本部長は、2009年度は、「いのちの大運動」の意義の理解が進むにつれ、医療生協への確信が強まり、「対話」が活動スタイルになりつつあること、組合員と職員の協同が進んだこと、新型インフルエンザの流行といういのちの危機に「いのちの大運動」がマッチして取り組みが進んだこと、2010年度は「出会い・ふれあい・支えあい」を「かたち」し、「新連合会づくり」に結びつけることが課題です、と報告しました。
●「2009生協強化月間のまとめと2010年度組織活動の重点」:伊藤進組織委員長
伊藤組織委員長は、10月と11月の2カ月間で、「仲間ふやし」4万人増、「出資金」約11億円増、「支えあい対話」約33万件、班会開催約4.4万回などのとりくみが広がっています。反面、減資約6億円に歯止めが掛っていない。2010年は地域の一人ひとりの声に耳を傾け、組合員と職員が協同の力で支えあい、300万組合員に取り組み、協同組合の未来につながる「医療福祉生協連づくり」を成功させようと報告しました。
●「健康づくり健診問診票の集約から見えてきたもの」:松本弘道健康づくり委員長
松本健康づくり委員長は、医療部会の「健康づくり健診問診票」は現在22の医療生協で使用されています。今回報告のあった11生協約2万件を分析。「主観的健康度」では自分の健康を「×」とした人が1~2割いることを重く受け止め、班や支部、職場の「健康づくり」に生かし「○」を増やすよう「いのちを守る運動」との連携を追求する必要があります。この「問診票」の利用を広げ、それらの分析の中から、医療生協の「健康づくり政策」の策定や行政への提言を行う必要がありますと報告しました。
<ほか以下の報告がありました。(テーマと報告者のみ)>
●「後期高齢者医療制度の即時廃止と廃止後の制度のあり方への提言」:東久保浩喜事務局次長
●「小規模多機能型居宅介護事業所 分析報告」:黒岩勝博経営委員
●4つの医療生協からの取り組み報告
- 「組合員訪問行動と対市懇談会の報告~「3つのあい」で助け合い、思いを形に助け合いのネットワークと安心して住みつづけられる街づくりを」:西都保健生協
- 「高知医療生協の「全県一斉国保相談会」の取り組みについて」:高知医療生協
- 「自治体との協同でひろがる新たな事業」:会津医療生協
- 「高齢者にやさしい診療所」導入プログラム実施のとりくみ」:東京ほくと医療生協
●「第6回comcom待合室川柳入賞作品の発表と表彰
- 応募者数 243人 川柳数 795句
- 大賞1句:「まだやれる自分の足に言い聞かせ」 岡 鶴一さん(出雲医療生協)
- 「優秀賞」3句 「佳作」10句
※全句の紹介と講評は「ComCom4月号」とホームページに掲載
●シンポジウム「医療生協の患者の権利章典」の今後を考える」
1991年に制定された「医療生協の患者の権利章典」が、制定されて以来、約20年になることから、「患者の権利の章典」の実践について、20年間に果たしたものなどの振り返りと評価、現代的な課題などを、2010年から検討していきます。それにあたり、このシンポジウムでは、制定時に委員として関わっていただいた池永弁護士と医療部会医療活動委員長であり、香川医療生協で日々「患者の権利章典」の実践の場に立つ藤原理事長にシンポジストとして報告いただきました。(内容省略)
「医療生協の患者の権利章典の実践と課題」:藤原高明医療活動委員長
「患者の権利オンブズマンのとりくみと医療生協への期待」:NPO法人患者の権利オンブズマン 池永 満理事長
進行役:高藤美和子部会事務局次長
![]() 藤原理事長 |
![]() 池永弁護士 |
![]() 司会:高藤事務局次長 |
![]() まとめ報告する藤谷事務局長 |
●「2009年度単協代表者会議のまとめ」:報告者・藤谷恵三事務局長
藤谷事務局長は、質疑や討論の中で出された「過渡期」について「国の政策やそれを担う政権が移り変わる時期」と理解していること、戦後の都市型のつながりが崩れてきており、それに変わるた人間の関係性を「あらたなネットワークの必要性」として提起していると述べ、2010年度方針のメインテーマとして「地域のいのちとくらしの絆を強め、日本中に医療福祉生協を拡げよう!」と呼びかけました。
<問い合わせ先>
日本生協連医療部会 事務局 電話:03-4334-1580















